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8月
大足石刻の特徴と魅力
仏教の紀元を知るために重要な世界遺産
中国重慶市にある有名な世界遺産として大足石刻が挙げられます。1999年に政界遺産に登録され、紀元前から脈々と受け継がれる宗教の歴史を感じることが出来ます。
この大足石刻で中国の歴史における仏教、道教、儒教の流れを知り、新しい発見をしてみるのも、このスポットの楽しみ方の一つです。
地域内に40を超える石刻が存在し、彫刻の数は全体で5万体を超えてきます。中国らしいきらびやかな装飾と、当時の技術の高さを目の当たりにできるので、一度見たら一生思い出に残る政界遺産です。
時期ごとに代わる彫刻の特徴
大足石刻は北山・南山・宝頂山・石篆山・石門山の5つのエリアに分かれています。古くはインドからシルクロードを伝い仏教を知り、当時の人々は彫刻を始めて行くのですが、伝達当所に創られた初期のものはやはりインドの流れを受け継いでおり、仏教様式や文化が垣間見れます。
徐々に中国らしさを確立していき、最終的には儒教や道教の流れを汲みながら制作されたものも増えており、広大な敷地内を順を追って歩いていく事で長い時代の流れを感じることが出来ます。
大足石窟の王様と東方のヴィーナス
重慶大足バスターミナルから北へ2キロほど進み市街地を出たところには北山石刻群があります。この山頂付近ではおよそ500メートルにわたり5000体もの仏像の彫刻を見ることが出来ます。
北山石刻の見どころの一つとして挙げられるのが晩唐から南宋にかけて移り変わる石工技術の発展です。初期の物はふっくらとしたものが多いですが、後期にかけてより繊細に表現できるようにレベルアップしており、当時の職人の研究心の高さを感じられます。
また、大足石窟の王様と呼ばれる北山最大の石窟「転輪経藏窟」の中で見られる様々な彫刻は、普賢菩薩・日月観音・数珠手観音などが配置され、中でも普賢菩薩はその穏やかな表情から東方のヴィーナスとしても有名です。
最大の見どころ千手観世音菩薩
南宋時代の1174年から1252年に創られた千手観音菩薩で、その規模は高さ7メートル超、幅も12メートルほどと世界最大を誇ります。
2015年に改修が済み、一般公開されることになりましたがそのきらびやかなたたずまいは見るものを圧倒する迫力で思わず言葉を失います。これまで何度か改修工事が行われてきましたが、劣化が激しく顔の表情などもきれいに見やすくなった今こそが見ごろとなっています。
一日では回れない大足石刻は是非2日間ほどかけてじっくり見て回ってください。
美しい彫刻で知る宗教の歴史は、その発展経緯も知ることが出来ますし、何より技術の向上を目の当たりにすることで時代ごとの流行や考え方なども知ることが出来ます。