端午節

中国の愛国詩人の命日

「端午」の本来的な意味は、年間に定められる「五節句」の一つであり季節の変わり目を示す一つの区切りということになっています。

しかし現在の中国においては「端午節」とは、楚の時代であった紀元前にいた屈原という政治家であり詩人でもあった人物の亡くなった日として今も伝えられています。

屈原は大変に愛国心があり人民たちからの信望もあつかったのですが、周囲からの陰謀にあってしまい国をおわれたのちに名作詩篇を残し、川に身を投げてなくなります。

これが「端午節」であったということで、現在も川を使ったレースを行うなどといったイベントが行われています。

日本においては同じ「端午節」でも、こちらは子供、特に男の子の成長を祝うものとして行事が行われていることを考えると随分と考え方が違いますね。

「端午節」自体はもともと中国で行われていたものがのちに日本に伝えられていったのですが、行事としての意義は残しつつも日本では日本の伝統に合わせた行事に作り替えられたということなのかもしれません。

端午節に食べる中国のちまき

日本と共通をしている部分もありこの端午節にはちまきを食べるという風習があります。

日本における「ちまき」というとお米を固めたものを笹の葉で包むという保存食となりますが、中国におけるちまきはもう少し本格的に作りこむ味のしっかりとした料理で、端午節以外の時期にも点心のメニューの一つとしてよく登場してきます。

また中国では一般の家庭でもよくちまきは食べられるようで、行事とは関係なくおやつなどとして作られることも多く、行事のための料理というよりも一般色としてしっかりと浸透している料理と言ってもよいです。

この点も、5月5日近く以外にはほとんどちまきは食べない日本と違う点と言えます。

中華ちまきの簡単な作り方としては、まず干椎茸や干しエビ、細かく切った豚肉を用意し、それを炒めて味付けをしたあとに洗ったもち米とまぜこみます。

それを用意した大きな竹の皮の中に包み込み、こぼれないように糸でしっかり縛ったら蒸し器の中に入れて待ちます。

基本的な作り方は日本の笹巻きちまきと一緒ですが、中身を炊き込みご飯のようにしっかりとしたものにするかどうかが違いです。

ちまきの起源をたどるともともとは竹の中にご飯を入れて火にかけて炊いたということがきっかけとなっているようです。

日本でも中華ちまきは比較的購入しやすいメニューなので、興味のある方は一度料理店もしくは通販などで食べてみることをおすすめします。

参考はこちら:http://mayanagi.hum.ibaraki.ac.jp/LecRep/01/IntroHum/chimaki.html

ドラゴンボートフェスティバルの開催

中国における端午節でもう一つ欠かせないのが「ドラゴンボート」という特殊な形をしたボートで川下りをするレース大会です。

日本でもボートやカヌーが好きな人には「ドラゴンボートフェスティバル」という名称はお馴染みとなっていますが、中国国内では特に台湾で大きな大会が開かれるようになっています。

ドラゴンボートとは、文字通り船頭と船尾にドラゴンを模した造形がついた細長いカヌーのことで、これをチームを組んで一斉に漕いでいきます。

このときのボートが大変派手で見栄えのよい形をしていることと、独特のリズムのある掛け声が人気で毎年国内外からたくさんの観光客が訪れます。

なお日本にもドラゴンボートを競技として楽しむ人もたくさんおり、本場香港での「翻刻国際龍舟祭」に参加するべく練習をしていたりします。