中国最大の都市・上海での料理
上海は中華人民共和国の直轄市であり、中国大陸最大の都市です。
オフィス街にはたくさんの高層ビル群が並んでおり、日本からもビジネスマンたちが数多く訪れる都市となっています。
観光都市としても有名な上海では古くから独自の調理法で作られる「上海料理」も観光資源の一つとなっており、外国人向けの高級料理店がいくつも営業をしています。
上海料理は宮廷料理として発展してきた歴史があることから、どちらかというと庶民的な印象のある中華料理の中にあって趣の異なる高級感が感じられます。
代表料理をいくつか挙げれば、「上海蟹」を使った料理の数々があります。
上海蟹とは正式名称を「チュウゴクモクズガニ」という淡水蟹の一種で中国全土に生息しています。
これらのうち長江の下流付近で捕獲されるものを上海蟹と呼んでおり、煮たり蒸したりと様々な方法で調理が行われます。
ちなみに中国国内では上海蟹は「ダーヂャーシエ」と呼ばれます。
上海蟹の最もオーソドックスな調理方法は、手足を丸く縛って丸めた状態にしてから熱湯で茹でるというものです。
上海市内にある高級料理店では、茹でられた上海蟹をお店の人が殻を取り除き食べやすい状態にして出してくれるので、日本国内でタラバガニや松葉ガニを食べるときよりは苦労が少ないでしょう。
なお中国ではカニ料理は体を冷やす作用のある食材とされているので、一緒に体を温めることができる紹興酒や生姜湯などを飲むことが勧められます。
日本でも大人気の小籠包も上海料理
いくつか種類がある上海料理ですが、中でも最も日本になじみがあるものといえばやはり「小籠包」でしょう。
小籠包は中国の文化として今も残る飲茶や点心で定番のメニューとなっており、お茶を飲みながら軽く食べる軽食メニューとして世界中で広く提供されています。
点心の定番料理は他にもシウマイや餃子、ゴマ団子、あんまん、杏仁豆腐、エッグタルトといったようなものがあります。
日本においては軽食という印象があるため少なめに提供される点心ですが、中国においてはかなりがっつりとチャーハンやラーメンといったものが一緒に提供されたりします。
一方でディナー向けの料理も数多くあり、中でも近くの海で取れる魚介類を生かした料理はとても人気があります。
上海は長江の下流地域にあり古くから水資源に恵まれてきたということもありお米や野菜も豊富にとれる食材の宝庫です。
日本でもよく耳にする上海料理としては他に、火鍋や鍋包肉、生煎といったようなものがあります。
お店では大勢が丸いテーブルを囲んで料理を取り分けながら食事を進めて行くというスタイルがとられます。
お店だけでなく上海市内には屋台で海鮮物を扱うお店が多く見られるので、そうしたところも利用してみたいですね。