元宵節

中華圏の大切な祭日「元宵節」

日本とは違い、中華圏では新暦の新年をお正月とするのではなく、旧暦の春節を祝う文化があります。
旧暦は毎年変わりますので、だいたい1月下旬から2月中旬までのどこか1日になります。
その春節から15日目を元宵節といい、新年最初の満月の日です。
元宵節は中華圏のお正月、春節を締めくくる日でもあり、この日を機に春節のお祝いムードも落ち着くことになります。

元宵節にあたる日は、家の軒先に赤い提灯を飾り、家族一緒にご飯を食べたりお団子料理を食べてにぎやかに過ごします。
家々に提灯が灯った街中では、獅子や龍の迫力の舞や高足踊など、見応えたっぷりのイベントが開かれています。

提灯のイメージがある春節なので、「灯節」とも表現され、海外では「ランタンフェスティバル」と呼ばれる有名なイベントです。
ランタンフェスティバルでは各地でランタンが灯され、幻想的な景色を見ることができます。
日本にはない風景ですので、この時期を選んで中華圏へ旅行するのもおすすめです。

元宵節の由来について

元宵節の由来は諸説あると言われており、中でも「天鵞(てんが)説」が有力候補です。
天につかえる鵞(白鳥)が地上に降りてきたときに、とある猟師の矢に当たり傷を負ってしまいます。
天の神である玉皇大帝がそのことに怒り狂い、15日の正月に地上を焼き払う計画をしたところ、先に気付いた仙人が「松明を燃やし、提灯を灯せば逃れられる」と地上の人々に助言します。
そして当日正月15日、玉皇大帝は家々に燃える松明と提灯を見て、赤々と燃え上がる炎と勘違いし、「すでに焼き払った」という仙人の言葉を信じ、事なきを得たという話です。

他の有力説と言われるのが、漢の時代に起きた諸呂の乱を劉桓によって治められた日を「元宵節」として祝うようになったという「諸呂の乱節」です。
さらに遡ること前漢時代、皇帝の側女・元宵にまつわる逸話「元宵説」などもあり、他にも由来となるエピソードがありますので探してみるのも面白いでしょう。

元宵節に食べるもの

元宵節の日には「元宵」という中に餡が入った団子、別名「湯圓(タンユエン)を食べるのが一般的です。
一口サイズのお団子で、その丸い形から満月に例えられ、「家族団らん」の願いが込められた幸福の象徴となっています。

かつてはお粥のような食べ物だったらしいですが、時を経て現在の形にまで進化し、今では冷凍湯圓まで登場しています。
味付けは地域や家庭によって異なり、小豆や胡麻餡など甘いスイーツのようなものもあれば、お肉系の餡を使ったおかずにもなる塩味で味付けされているものも人気です。
この日は家族で湯圓を食べる習慣があり、子供から大人まで世代を問わずみんなで湯圓を楽しむ日となっています。

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