見た目も艶やかな高級宮廷料理が中心の北京料理
北京料理といえば、日本でも高級中華として有名な「北京ダック」が代表的です。
北京ダックとは、アヒル1羽を毛をむしってまるごと焼いたというかなり豪快な料理で、薄く切り分けた皮と肉をカオヤーピンという小麦粉で作った皮で野菜と一緒に包んで食べます。
北京ダックに代表されるように、北京料理はもともと王宮料理から発展したものであることから、見た目にもこだわった豪華な印象をしていることが特長です。
よく漫画的な表現として動物の丸焼きがイラストとして登場することがありますが、それらは全てこの北京料理のインパクトの強さがもとになっているものと推測されます。
ただここ最近の北京料理は伝統的な宮廷料理だけではなく、古くから北京で生活をしてきた市民たちの食生活を反映した郷土料理も一緒に提供するようになっているようです。
老舗の超高級店などに行けばかつての宮廷料理を再現するような高級料理もオーダーできますが、一般観光客向けのお店の場合にはメニューの種類が混在していることもよくあるので、旅行で出かけるときにはどういった料理を食べたいかあらかじめ調べておいた方がよいかもしれません。
北京料理の中でも高級料理としてよく知られているメニューとしては、「ジャージャー麺」「刀削麺」「葱焼海参(なまこの葱煮込み)」「水餃子」「ピータン」といったようなものが挙げられます。
餃子の起源は北京料理の水餃子だった
日本においては餃子はすでに国民食と言ってもよいほどすっかり食卓に定着したメニューです。
しかし日本の餃子は表面をカリッと焼き上げる焼き餃子が標準となっているのに対し、本場の餃子料理では水餃子が一般的です。
そもそも餃子という料理が登場したのは北京が発祥で、小麦粉で作った皮で具材を包み込み、スープで煮込むという調理方法が最初でした。
ですので本場中国の餃子を食べようと北京に旅行をした人がレストランのメニューに焼き餃子がないということに驚くことも少なくありません。
もう一つ日本と異なる点として、蒸して作る饅頭の中身には何も入れないということがあります。
日本ではあんまん、肉まんのように中身がたっぷり入っている饅頭の方が有名ですが、本場では中身が全くない蒸しパンの状態で提供されることがよくあります。
逆に日本では滅多に見かけることがない北京料理の例として、「宮廷チーズ」という門外不出の製法によって作られる謎のチーズがあります。
宮廷チーズはスイーツ店で単品で購入することができる食べ物なのですが、口に入れてみるとまるで甘酒のようなふんわりとお酒のような香りが鼻の中に広がります。
他に庶民のお菓子としては「芸豆巻」というものもあり、謎が多い食べ物に多く出会うことができます。