中華料理

中国には四大料理があります

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中国に旅行に行った人なら耳にしたことがあるのではないかと思いますが、中華料理には大きく分けて4つの分類があります。

中国大陸というのは非常に広いため、ひとくくりに「中華料理」といっても大陸内のどの地域が発祥であるかによって微妙に系統が異なっています。

四大料理とはそれぞれ「広東料理」「上海料理」「四川料理」「北京料理」と呼ばれます。

地域的には中国大陸の北東部に位置するのが「北京料理」、九州から西に向かったところにある湾岸部の地域が「上海料理」、大陸南側の湾岸部にあるのが「広東料理」、内陸の中央南部にあるのが「四川料理」というざっくりとした分類になります。

日本に最初に伝わった中華料理は地域的にも近い上海料理であり、昭和40~50年代に急速に普及していった中華料理は上海料理がベースになっているものが大半です。

しかしやがて戦後の復興が一段落し中国との交流がより深くなるにつれ、他の料理も少しずつ日本の食卓に浸透するようになりました。

現在では特にどれが一番有名ということもなく、四大料理それぞれの代表的なメニューが日本でも誰でも知っているほどの知名度にまでなっています。

日本でもおなじみのメニューの起源

日本に最初に伝わったのは湾岸部という地域性を生かした海産物が中心の「上海料理」です。

上海料理の代表的なメニューといえば、上海近海で採れる蟹を使った「上海ガニ」や豚バラ肉を大きな角煮にした「紅焼肉(ホンシャオロウ)」、飲茶のメニューでおなじみ「小籠包」などがあります。

他にも上海風焼きそばの「上海炒麺」や人気のデザートメニューの「糯米紅棗」というナツメの実の中にもち米を詰めたものなどがありますが、いずれも中華料理のメニューとして知っている人は多くてもあまり日常的に食卓にあげる機会は多くありません。

日本でもっと知名度の高い料理といえばやはり「餃子」「酢豚」「麻婆豆腐」「担々麺」「チャーハン」「チンジャオロース」といったあたりでしょう。

このうち餃子は「西安料理」という四川料理の影響を受けつつ独自に発達したものでやや特殊ですが、「酢豚」は広東料理、「麻婆豆腐」や「担々麺」といったピリ辛系は四川料理、「チンジャオロース」やその他「フカヒレスープ」や「焼乳豚(子豚の丸焼き)」といったものは広東料理となっています。

ここ最近の辛味のある料理ブームのせいか庶民の食卓ということでいうとやや四川料理が強いかもしれませんね。

本場料理と日本独自の料理の違い

中華料理を語る上で欠かせないのが、日本に入ってからの独自の進化です。

今や日本の国民食と言ってもよいくらいになっている「ラーメン」も、もともとは中国で一般的な食事として作られてきたものを日本に輸入し、そこから醤油や味噌といった日本独特の食材を生かして発展させていったという歴史があります。

また日本の中華料理屋の定番メニューである「天津飯」などは中国と全く無関係で日本の料理人が中華風料理として開発したものであったりします。

中国に旅行に行くか、本格的な現地の料理人がいるお店で食事をしてみると、それまで思っていた料理のイメージが一気に覆るということもよくあります。

もちろん日本人向けに開発された和風中華もおいしいのですが、時には本格的な中国の味覚をそのまま味わってみるというのもまた楽しい食事です。