観光都市・北京でも有数の名物料理
北京ダックといえば、中国内でも有数の観光地である北京を代表する料理の一つです。
中国四大料理の一つに「北京料理」がありますが、こちらは中国地方でも北朝鮮とモンゴルに国境を接する北東部に位置する場所で生まれた料理のことを言います。
中国には国土を上下に二分する形で黄河が流れていますが、この北側の地域の海側の地域までがだいたい北京料理の系統を継ぐものとなっています。
北京料理全般的な特徴としては、地理的に北部の国と近いことから北方民族の料理に似たものが多く、またかつて元の時代や明の時代、さらに巨大な清王朝で首都として機能してきたという歴史から宮廷料理らしい非常に豪奢な作り込みをするものが多いことがあります。
さらに北部に位置することにより気温が低く、寒さを凌ぐための料理として鍋物や肉料理、体があたたまる味噌料理といったものも多めです。
日本でも大人気の中華料理である肉まんや餃子、麺類もこの北京料理が起源になっているものが多いです。
しかしやはり北京料理として一番の知名度をほこり、その特徴を顕著にしているのが「北京ダック」という他の地域では見られない独特の調理法によって作られるメニューです。
北京ダックの調理法とは
北京ダックが現在のような調理法として固まったのは清王朝時代で宮廷料理として作られていました。
それが王朝が瓦解したあとに当時の宮廷料理人が一般の飲食店にコックとして雇われるようになったことにより、現在では多くの人の口に入るようになりました。
レシピとしてはそれほど難しいものではなく、まず材料となるアヒルをまるごとの形のままでドレッシングなど味付けし、そのまま大きなオーブンに吊るして果実の木など特殊な燃料を使った炎を使ってじっくりと炙焼していきます。
すると焼きあがったアヒルはこんがりと光沢感のある鮮やかな茶色になるので、それをテーブルに運んで一口大に切り分けて食べていきます。
食べるときには事前に運ばれる小麦粉で作った薄い餅を使ってアヒルの皮・肉とともに野菜や味噌だれをつけてくるんでいきます。
包むときには春巻きのように密封するのではなく片側だけが開放された袋状にして中身をこぼさないように食べていきます。
なお日本の中華料理店で北京ダックを頼むと実際に可食部として運ばれてくるのはアヒルの皮だけのことが多いのですが、本場北京ではきちんとアヒルの肉まで一緒に食べさせてくれることが多いようです。