中国の伝統的なパーティードレス
中国での伝統的なパーティードレスといえば、やはりチャイナドレスでしょう。
日本における着物のように、中国においてはフォーマルな場所で着用する女性用のドレスとしてチャイナドレスは多く利用されています。
ただ「チャイナドレス」という呼び方は日本独特のもので中国内では「旗袍(チイパオ)」という名称で呼ばれています。
なのでもしこれから中国に旅行に行っておみやげにチャイナドレスを購入したいと思っているなら、この「旗袍」という呼び方は覚えておいた方がいいですね。
チャイナドレスの特徴
チャイナドレスの大きな特徴となっているのが、スカートの両脇に入っている大きいスリットです。
またドレスを着た時にあえて胸元を覆い隠すようになる高い襟もデザインとしての大きな特徴と言えます。
もう一つチャイナドレスを着用したときに左右に布を留めるために使用するボタンも独特のデザインをしていることも多く、それ自体が一つの装飾部となっていることもよくあります。
色は赤色を基調にしたものが一般的ですが、現在では青や緑のものなどさまざまなバリエーションが登場してきます。
ドレスの生地には絹をメインに光沢感のある紗やサテンといったものが中心になっており、そこに中国らしい紋様が織り込まれていたりするのもさらに中国らしさを演出することになっています。
この生地に織り込まれる紋様はおめでたい動物である鳳凰や孔雀、龍や蝶が使われたり、時にはもっと直接的に「寿」や「福」といった文字が使われることもあります。
いずれにしてもやはりドレスの目的は華やかなお祝いの席がふさわしいと言えるでしょう。
文化大革命で一時消滅の危機も
中国の女性の衣装としてずっとあり続けてきた感のあるチャイナドレスですが、実は歴史の中で一度消滅の危機にひんしてしまったこともあります。
中国では1950~1960年代頃に文化大革命としてそれまでの中国文化を大きな変革する政治的な動きがありましたが、そのために一時期「旗袍」のような伝統的な衣装をなくすかのようなことも言われました。
しかし1980年代くらいになると再び「旗袍」の高いデザイン性が再評価されるようになり、そこに経済成長による新たなデザイン性が加わって、新しい「旗袍」が登場してきました。
現在では中国人だけでなく日本や欧米各国でも好んで着られるようになっており、さらにクリスチャンディオールやピエール・カルダンなど有名デザイナーが独自のデザインをするといった進化も始まっています。