中国文化を理解するために
一般の日本人から見た中国人の印象とはどういったものでしょうか。
歴史や文化に対しては大きな尊敬の念を多くの人が抱いている反面で、現在日本を訪れている中国人に対しては、それほどよい印象は持たれていないということもよくあります。
現在著しい経済成長をしている中国国内からは年間を通じて非常に多くの人が日本を訪れています。
また日本の学校ではアジア諸国からの留学生を積極的に受け入れているということもあり、大学だけでなく高等学校や専門学校でも中国人留学生と触れ合う機会が増えてきました。
しかしそうした中国から渡日する人の数があまりにも増えすぎてしまったためか、双方の文化の違いにより軋轢が生まれてしまっている側面は否めません。
日本人からみた中国人というと、やたらと大きな声で早口にまくしたてていたり、自分の意見は絶対に譲らずにとことん意見を押し通していくというような強引なイメージがあります。
もともと日本においては先輩や目上の人を立てたり、あまり自分の意見を声高に主張することをよいことと思わない習慣がありますから、そうした意識の違いがまた中国人に対してのイメージにつながっているのではないかとも考えられます。
しかしちょっと視点を変えてみると、そうした中国人らしい振る舞いや言葉遣いというのは中国という国の文化から発するものであることもよくあります。
まず中国という国や一般的な中国人を理解するためには、背景になっている文化についても詳しく知っておく必要があります。
料理の違いに見る日中の意識の違い
日本と中国はかなり多くの場所で文化の違いを見せていますが、中でも象徴的なのが食文化の違いです。
日本と中国は同じアジアの国として、米を主食として箸を使って食べるという似たような食習慣を持ってきました。
ところが日本においてはどちらかといえば小さな器を使って個人の分を盛りつけて食べることが多いのに対し、中国では大きな皿にどっと料理を盛り付け、みんなで一緒に箸をつけていくということが多くなっています。
また高級料亭の日本食というと、造形美にこだわり新鮮な食材を丁寧に職人が仕上げていくという方法になっているのに対し、中国では豪華な食材をタップリと使ってお皿やテーブルに入りきらないほどに並べるというふうにします。
この食に対しての美意識の違いはかなり国民性として強く影響していることが考えられます。
日本の集合住宅に中国からの留学生や就業者が入ると、生ごみの量が非常にたくさん出て臭いがひどいといったような話もよく聞かれますが、これは食文化として日本人の「残さず食べるのが美徳」という意識と、中国人の「食べ残すのは足りなかったという悪意の意思表示」という意識の違いが示される一つの例といえます。
どちらがよいということではなく、一緒のスペースで生活をしていくならばそうした文化の違いを意識してそこから問題解決の方法を探っていくことも重要でしょう。
日本で人気の中国文化や風習もあります
日本でも大人気となっている中国の文化や風習もたくさんあります。
今やパーティードレスの一ジャンルとしてすっかり定着したチャイナドレスなどのファッションや、美容のために使われる数々の製品などです。
これまで中国というとファッション的には後進国という意識もありましたが、2014年の調査ではついに上海が世界のファッションの都ランキングにアジアで初めてトップ10入りして10位にランクインするなど、今後流行の発信地として機能していく可能性を感じさせています。