春を伝える二十四節気の一つ
「清明節」とは旧暦における行事である二十四節気の一つで、毎年春の訪れを伝える時期として知られています。
日本においても「清明祭(シーミー)」という行事が沖縄県で行われているなど、全国でこの清明節に合わせた行事やお祭が多く催されます。
ですが中国においては清明節は日本におけるそれよりももっと重要度が高く、かなり大きな行事として国民的に執り行われています。
沖縄における「清明祭」も認識的には中国のものに近く、大きなお祭りとして地域全体として開催されます。
中国における「清明節」が大きな行事なのは、その時期になると一斉にお墓参りをする習慣があるためです。
日本でもお盆の時期には主要な高速道路で大ラッシュがおきたりしますが、中国の清明節もそれにかなり近いものがあり、普段は都心部に住んでいる人たちも地元のお墓にお参りに出るため公共交通機関がパンク寸前になるほどの大混雑になります。
ですので日本からの観光ではこの清明節の時期をきちんと理解して行った方がいいでしょう。
雨期に入る前に墓の整備をする
なぜ春の訪れである清明節にお墓参りをするかというと、清明節を過ぎてすぐには雨期が訪れるため、お墓をキレイに直し掃除をするにはこの時期が最も適していると考えられるからです。
そのため「清明節」のことを「掃墓節」と呼ぶこともあるほどで、自分の先祖の眠る墓を訪れた中国の人は草むしりをしたり、割れた墓石を修復をしたりと一年分の汚れや傷を丁寧になおしていきます。
また独特なのが「ピンイン」という紙で作った独特の弔いの道具で、これに死者が生前愛用していた品を記載したり模したりして焼いてあの世に届けるということを行います。
そうしたお墓参りと弔いが終わったら、集まった親戚一同で大きな宴会を開くということも風習の一部となっています。
清明節の料理について
清明節にはその時ならではの行事料理が振る舞われます。
有名なのが「青团」という緑色のおまんじゅうで、草をねりこんだ生地で作ったあんこのお菓子となっています。
この「青团」は清明節以外の時期にも家庭で作ったり、中国のコンビニなどでよく売られていたりするもので国民的に知られるお菓子の一つです。
他にもメキシコ料理のトルティーヤに似た薄く焼いた小麦の皮に野菜などを包んで食べる料理が作られたりします。
清明節は日本でいうゴールデンウィークのようなもので、企業や学校が連休となります。