湖南料理

中国一辛い「湖南料理」

「湖南料理」を食べたことはありますか?
本場中国では「八大菜系」の1つであり、無数にある中華料理の中でも最も有名な料理として高い人気があります。
中国の南部に位置する内陸部の湖南省は、湖南料理を生み出した長江の中流南部の海のない省で、毛沢東の出身地です。

中国では「湖南菜(フーナンツァイ)」または「湘菜(シアンツァイ)」と言い、毛沢東も好きだったことから「毛家菜(マオジアツァイ)」とも言うそうです。
湖南料理の一番の特徴は「辛い」ことですが、ただの辛さではなく「中国一辛い」と称されるレベルです。
もちろんすべてが辛いワケではなく、辛くない料理もあるにはありますが、基本的に唐辛子をどっさり入れる料理が多くなります。
辛い料理になった理由として考えられるのは、湿度が高いこと、そして米を主食としていたことだと言われています。

湖南料理の味の特徴は「酸辣」

有名な湖南料理には、「左宗棠鶏」、「紅畏魚翅」、「黒臭豆腐」、「南瓜餅」、「金銭魚」など聞いたことも見たこともない料理が並びます。
辛い料理の代表と言われる中華料理に四川料理がありますが、同じ「辛い」でも湖南料理の辛さとは異なります。

四川料理の場合は「麻辣(マーラー)」と呼ばれるもので、山椒を食べたときのようなヒリヒリとしびれる辛さです。
対して湖南料理の場合、「酸辣(スワンラー)」と表現される「酸っぱ辛い」辛さなので、似て非なるものになります。
中国では2つの辛い料理を「四川人は辛いことを恐れない、湖南人は辛くないことを恐れる」という表現で表します。
つまり、湖南地方では料理は「辛くて普通」という認識ということでしょう。

なお、辛味と酸味のほかにも有名なのが、16種類存在すると言う包丁使いです。
その見事な包丁使いを活かした形状や盛り付けが素晴らしく、また器選びも凝っていることで知られています。

料理に影響を与えた湖南省の特徴

湖南省は、北に平原があり、西には山々が、東南には丘陵地帯と盆地という日本と同じく四季が分かれている温暖多湿なエリアです。
海のない内陸部ですが、名前でもわかるように洞庭湖の南部に位置する省になります。
なお、洞庭湖とは中国にある国内第2位の大きさを誇る淡水湖であり、この湖のおかげで湖南省は山の幸にかぎらず、農業や牧畜、漁業も発展している食材には事欠かないエリアになったとされています。

湖南省は地理によって分けられる3つのエリア、それぞれ料理が3つの系統に分かれています。
湖南省の中の湘江流域では、辛さ&酸味を効かせた料理が食べられており、洞庭湖の周りのエリアは河川で獲れる魚介を使った煮込み&蒸し焼きが食べられます。
山間部エリアになると肉の燻製&塩漬けが人気で、味や調理法がそれぞれ特徴的です。

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