中国人と年中行事
日本にいても年間を決まった時期に休日や祭日があるように、中国においても同じように国民全体で行う行事やイベントがあります。
現在の中国の年中行事は大変回数が多く、日本と同じく元来持っていた意味から離れて大きなお祭りとしての要素が強くなったものなどもあります。
中国国内の年中行事は大きく三つの種類があり「暦による伝統行事」「国の歴史による記念日」「西洋文化から来たイベント記念日」となっています。
このあたりの事情は日本人にとってもなじみのある感覚ではないかと思われます。
暦による伝統行事の最も大きなものといえばやはり「春節」という正月を祝うものです。
たびたび中国の様子を伝えるニュースとして、正月を祝うために派手に爆竹を鳴らしたり赤と金色の派手な装飾が施されている様子が伝えられますが、それこそが伝統的な中国の春節の祝い方なのです。
日本では正月というと1月1日ですが、中国ではこの春節にあたる1月末ころから2月中旬くらいまでの期間のことをさしています。
この時期は毎年旧暦によって定められるので日にちがずれるというところが大きな特徴です。
御祝いの方法も時代とともに変化
中国はイメージ的に自国文化を非常に誇りに思っており、他の文化や風習を下に見ているような印象がありますが、現代においては必ずしもそうではないこともあるようです。
その一つの象徴となっているのが記念日の祝い方で、これまで伝統的な祝い方をしてきたものを西洋風なアレンジにしたり、使う品物を違わせたりといったようなことも当たり前にされるようになりました。
例えば個人的な年中行事である誕生日ですが、伝統的な中国人としての祝い方でいけば、誕生日には麺を食べてそれからの長生きを祝うという日本に年越しそばに似た風習がありました。
ですが最近では日本のようにケーキを買ってきて家族で食べる家庭も増えており、御祝い料理の質も異なる様相を呈してきています。
ただ完全に消えたかというとそういうわけでもなく、例えば誕生日に食べる麺には普段と違った種類にしたり、多くの種類を用意したりといったように現代風にアレンジをしていくということも行われています。
伝統は伝統として残しつつ、時代の流れに乗って新しい世代の人がやりやすい形にしていくということは世界各国共通のこととなっているのが伺えます。
なくならない旧暦行事
中国独自の風習が消えつつある中でも、旧暦を中心とした行事のいくつかは今も国民的な行事として大々的に取り扱われるようにもなっています。
例えば「端午節」という日本でいうところの「端午の節句」にあたる旧暦5月5日の行事です。
この「端午」は旧暦での決まった日付であるため日本も中国も同じことをするように思いますが、祝日としての性質は大きく異なっており、中国では過去の伝説をもとにした詩人の命日ということを据えての行事ということになっています。
このように日本で行われる同様の行事との違いが中国にはあるということもまた知って面白い知識です。